ワイオリ編集部
WAIOLI Editor
2025.07.04
ハワイアンジュエリー──それは単なる装飾品ではなく、大切な人への想いや祈り、自然との調和を映し出す文化の結晶です。
ハワイで生まれ、日本でも多くの人々に愛されるこのジュエリーには、長い歴史と深い意味が込められています。
本記事では、ハワイアンジュエリーの起源と歴史を紐解きながら、その背景にある文化や価値観を探っていきます。
目次
ハワイアンジュエリーは、伝統的なハワイのモチーフや言葉を彫刻したジュエリーで、金属に手彫りで彫刻を施したものが主流です。
特徴として、ホヌ(ウミガメ)やマイレリーフ、プルメリアなどの自然モチーフが多用され、それぞれに特別な意味が込められています。
現在では結婚指輪や婚約指輪としても人気があり、特に「オーダーメイド」での依頼が増えています。
こうしたジュエリーは、単なるファッションアイテムではなく、人生の節目や大切な人との絆を象徴する存在として愛されています。
親交の深かったイギリスのヴィクトリア女王の夫、アルバート王が亡くなったことを悼み、自身も王との思い出を忘れない為に、 Hoomanao Mau(永遠の思い出)と刻んだ。というのが日本の解釈です。
このバングルにはHoomanao Mauの文字の横に、8つのシンボルが刻まれており、その一つひとつ、女王の想いや祈りが込められて います。女王として国や国民を正しい方向へ導く為のコンパスや、守護されるという意味を持つシェブロン等です。リリウオカラニ女王は、女王としてのその思いを“Hoomanao Mau”(いつも覚えている)という言葉に込めたというのが、ハワイの解釈になります。
リリウオカラニ女王が初めて身につけたとされるブラックエナメルにゴールドの手彫りが施されたブレスレットが、
現在知られている最古のハワイアンジュエリーとされています。
そこにはハワイ語で「Ho’omana’o Mau(永遠の思い出)」と刻まれており、王族の愛と祈りがこもった品でした。
ハワイアンジュエリーに刻まれる言葉には、ハワイのスピリチュアルな世界観が反映されています。
例えば、「Aloha(愛・調和)」「Ohana(家族)」「Malama(守る)」など、単なる意味を超えた“生き方”を示す言葉です。
自然への感謝、家族への愛、幸運を呼び込む祈りなど、ハワイのモチーフには文化的・宗教的背景があります。
ジュエリーはその想いを形にし、代々受け継がれていく「語り部」の役割を果たしています。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、ハワイは日本をはじめとする多くの国からの移民を受け入れました。
この文化の交差点であるハワイでは、ジュエリーの彫金技術も進化し、より繊細で多様なスタイルが確立されていきます。
日本人移民は細やかな手作業を得意としており、ハワイアンジュエリーの制作にも大きく貢献しました。
現在も日本では、ハワイアンジュエリーが結婚や記念日に選ばれることが多く、文化的共鳴が感じられます。
現在、ハワイアンジュエリーは「一生に一度の記念品」として、結婚指輪や婚約指輪の選択肢として認知されてきました。
特にオーダーメイドで自分だけのメッセージやモチーフを刻める点が支持されています。
手彫りで1点1点制作されるハワイアンジュエリーには、職人の想いや技術が詰まっています。
機械にはできない繊細で立体感のある彫刻は、長年愛用してもその輝きを失いません。
従来は女性向けの印象が強かったハワイアンジュエリーも、近年では男性にも支持され、
シンプルで力強いデザインも増えています。
ハワイアンジュエリーは、単なる見た目の美しさだけでなく、「想いを伝える」ためのメディアでもあります。
家族への感謝、愛する人への祈り、自分への誓い──そうしたストーリーが、ジュエリーという形で継承されていくのです。
ハワイアンジュエリーは、その起源から現代までの流れの中で、文化、技術、そして人々の想いを受け継いできました。
一つひとつのモチーフや刻まれた言葉には、語り継がれる歴史と深い祈りが込められています。
このようなジュエリーを選ぶことは、単に美しさを手にするだけではなく、自分自身や大切な人への“永遠の想い”を形にすることでもあるのです。